二酸化炭素は代表的な温室効果ガスの一つで、空気中に増えすぎると地球を暖め、気候変動の原因になります。一方で、植物にとって二酸化炭素は、食べ物のようなものです。植物は光合成によって二酸化炭素を取り込み、糖や様々な有機物をつくって成長します。
そのため以前は、「空気中の二酸化炭素が増えれば植物がよく育ち、土に貯蔵される炭素も増える」と考えられてきました。さらに言えば、人間の活動によって空気中の二酸化炭素は増えるけれども、植物が吸収し貯蔵してくれる分も増えるだろうと思われていたのです。
ところが、ジャクソン教授たちの研究によって、実際はそれほど単純な仕組みではないことが分かってきました。研究の結果、空気中の二酸化炭素が増えると、確かに植物の成長は速まり二酸化炭素を吸収する量は増えます。けれども、長期にわたって森林の樹木が吸う二酸化炭素の量を増やす実験を行うと、土の中の炭素の貯蔵量は単純な計算で期待されるほど増えない、あるいは減ることもある、ということがわかってきました。
なぜ、そんなことが起きるのでしょう。