そして、それぞれのバイオームでどのような生態系サービスがどれだけ供給されているかを調査しました。バイオームには、外洋、河口、大陸棚、熱帯林、干潟、砂漠、ツンドラ、農地、都市などが含まれます。
次に世界中の関連データを集めました。当時、インターネットはまだ普及しておらず、世界中の研究データを集めるのは非常に困難な作業でした。コスタンザ教授と彼のチームは、膨大な数の論文や報告書を一つ一つ丁寧に読み、最終的に全世界の生態系サービスを金銭的な価値として示しました。
その結果、地球全体の生態系サービスの価値は、年間平均で約33兆ドルにも及ぶことが判明しました。この数字は、当時の世界のGDP(各国の国内総生産[GDP]の合計)を大きく上回るものでした。つまり、人類の生活や経済活動は、自然の恩恵に大きく依存していることが示されたのです。