1. 幼少期:自然と共に育った日々

ドノラでの生活と災害のおく

1950年9月14日、ロバート・コスタンザさんはアメリカのペンシルベニア州ドノラで生まれました。ドノラ市は製鉄業で栄える工業都市でしたが、コスタンザさん誕生直前の1948年10月、工場からはいしゅつされた有害なえん(スモッグ)が町をおおい、多くの住民が健康がいを受け、命を落とすという大気せん災害が発生しました。この事件は、アメリカにおける環境問題への関心を高め、後の環境規制の強化につながる重要な出来事となりました。

幼少期のコスタンザさんは、このような環境問題を身近に感じながら成長しました。家族や地域社会とのきずなを深める中で、工業化と環境の関係について無意識のうちに考える機会が増えていったのかもしれません。

幼少期のコスタンザさん(左端)

幼少期のコスタンザさん(左端)

自然の中でのびのびと

8さいまでドノラ市で過ごした後、コスタンザさんの家族は南フロリダに移住しました。当時のフロリダは豊かな自然環境が広がっており、海や国立公園など自然に囲まれた環境で中学・高校時代を過ごしました。勉強に関してはどの教科も好きでしたが、特に興味を持ったのは宇宙工学の分野でした。このころのアメリカは宇宙開発競争のただなかで、この分野はコスタンザさんだけでなく国民の関心事だったのです。そのためコスタンザさんは1968年、工学系で国際的評価の高いインディアナ州立パデュー大学で航空宇宙工学をせんこうしました。しかし宇宙工学を学ぶ中、よりクリエイティブな活動に興味を持つようになったコスタンザさんは、工学的でありながらも独創性が求められる建築学へ専攻をへんこうしました。

このせんたくが、後にコスタンザさんが生態経済学という分野でかつやくするきっかけとなりました。

2. 建築学から生態経済学(エコロジー経済学)へ

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ロバート・コスタンザ教授

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