学習の手引き

リチャード・トンプソン教授、タマラ・ギャロウェイ教授、ペネロープ・リンデキュー教授のものがたりはいかがでしたか?
ここは、みなさんがものがたりについて復習したり、理解を深めたりするためのページです。
ここだけに書いてあることもありますよ!

<対象:小学校高学年以上>


まずはクイズです!

問1:マイクロプラスチックとはどのようなプラスチックのことでしょう。

1. 動植物の栄養となるプラスチック

2. 自然界に元からあるプラスチック

3. 5mm以下のプラスチック


問2:動物プランクトンがマイクロプラスチックを誤って食べるとどうなるでしょう。

1. 本当の餌をたべる量が減る

2. 体がぶんれつする

3. プラスチックを消化する


こたえ

問1:マイクロプラスチックとはどのようなプラスチックのことでしょう。

こたえ:3. 5mm以下のプラスチック

プラスチックは人間が作り出した素材で、元から自然界にあるものではありません。また、動植物の栄養にはなりません。プラスチックの中でも5mm以下のものをマイクロプラスチックと言いますが、これはビニール袋やペットボトルなどが海の中で波や日差しによってさいされたりれっしたりすることで発生します。また化学繊維の衣服を洗濯したときに出る繊維くずなどもこれに含まれます。

問2:動物プランクトンがマイクロプラスチックを誤って食べるとどうなるでしょう。

こたえ:1. 本当の餌をたべる量が減る

動物プランクトンは餌と間違えてマイクロプラスチックを食べることがあります。そうすると本当の餌を食べる量が減り、栄養不足から生存能力が低下するなどの問題が起こります。そして動物プランクトンの数が減るとそれらを食べる生物にも影響がおよぶので、ゆくゆくは生態系全体に悪影響を及ぼす可能性があります。


ここはおさえておこう

マイクロプラスチックには、人間が捨てたごみが分解してできたものや、人間が製造したものもある。

動物プランクトンがマイクロプラスチックを摂取すると生態系全体に悪影響を及ぼす可能性がある。


もっとくわしく

トンプソン教授・ギャロウェイ教授・リンデキュー教授のものがたりでは、マイクロプラスチックが海に流出していることを学びましたが、実は世界にはマイクロビーズと呼ばれる意図的に製造されたプラスチックの粒が含まれるみがき粉や洗顔料があります。ここではマイクロビーズについてよりくわしく見ていきましょう。

歯磨き粉や洗顔料にプラスチックが含まれているなんて、あまり聞いたことが無いですよね。いったいどんな役割をしているのでしょうか。
歯磨き粉に含まれるマイクロビーズはけんざいのはたらきをします。歯についたよごれを落としやすくします。また洗顔料の場合は、古い角質を除去しはだの表面をなめらかにするためにてんされます。しかし役に立っているように見えるマイクロビーズもプラスチックである以上、海に流れ出れば生態系などへの影響が懸念されることはみなさんが学んだとおりです。このため、世界ではマイクロビーズの使用を取りやめる動きが広がっています。アメリカでは2015年にマイクロビーズをふくむ一部製品の製造と販売を段階的に禁止する法律を定めました。EU、カナダ、かんこくなどの国々でもマイクロビーズの製造もしくは流通、販売などの禁止に関する法律があります。また、企業による取り組みも進んでいます。日本の環境省が行った調査によると、2016年の時点で、調査の対象となった日本国内で売られていた洗顔料とボディソープ150種のうち、マイクロビーズが含まれていることが確認されたのは2種の洗顔料でした。
このように人々が問題を意識することで、社会は変えることができます。今も海洋プラスチックの問題への取り組みが世界で進められています。みなさんもいろいろな情報を集め、自分にできることがないか考えてみましょう。

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トンプソン教授、ギャロウェイ教授、リンデキュー教授

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