指導者のかたへ

「ブループラネット賞ものがたり」は、環境学習にも広くご利用いただきたいという思いから、ひとつの「ものがたり」に対して「学習の手引き」「参考情報」そしてこの「指導者のかたへ」という、三つの「環境学習補助コンテンツ」を用意しています。
このページでは、指導者のかたが教材として利用することを想定し、指導の助けになるような情報を掲載しています。
学校での環境学習の授業や、お子さまの自主学習などに、ぜひお役立てください。

<対象:学校の先生、保護者など、教育指導にあたるかた>


指導に向けたものがたりの再確認

リチャード・トンプソン教授、タマラ・ギャロウェイ教授、ペネロープ・リンデキュー教授は三名とも海洋プラスチックの研究で著名な研究者です。トンプソン教授は2004年に極めて微小なプラスチックの破片であるマイクロプラスチックがいかに海洋中に蓄積されているかを明らかにする論文を発表し、科学の世界にプラスチックに関する新たな研究分野をつくり出しました。ギャロウェイ教授とリンデキュー教授は、2013年に世界で始めて、動物プランクトンがマイクロプラスチックを摂取し、影響を受けていることを論文で発表し、この問題の深刻さを世に広めることに貢献しました。
プラスチックを分解できる微生物はほとんどいないので、自然界でプラスチックが完全に分解されるには途方もなく長い時間がかかります。そのため一度海に流出したプラスチックは回収されない限り、海の中に蓄積され続けることになります。特にマイクロプラスチックは5㎜以下と小さいため回収が非常に困難です。海洋生物が摂取したマイクロプラスチックは、食物連鎖によって生態系全体に広がり人間の体内でも検出されています。これによる人体への健康影響も懸念されています。


指導方法の例

指導に用いる適切な教材が見当たらない場合は、以下を参考にしてください。

生活の中のプラスチックを減らせないか考えてみよう

使い捨てられるプラスチック製品がプラスチック汚染の一つの原因です。私たち一人一人にもプラスチックを使わない、または減らす行動ができるということを学ぶことがねらいです。

1. 普段使っている身近なプラスチック製品を書き出してみましょう。

(例:ビニール袋、ペットボトル、お菓子の包み、使い捨てのスプーン・フォーク・ストロー、商品の包み、合成繊維の洋服など)

2. 書き出したプラスチック製品について、それ無しで生活する方法や使う量を減らす方法を考えてみましょう。

(エコバックを使う、水筒を使う、個包装のお菓子を買わない、使い捨ての食器をもらわない、天然繊維の服を選ぶ、ペットボトルなどは使いまわす)
ヒントは昔の生活様式にもあります。お年寄りにも聞いてみましょう。

3. より積極的にプラスチック汚染を減らす方法を考えてみましょう。

(ゴミ拾いをする、ボランティアを組織する、生分解性プラスチック製品を選ぶ、行政に訴える、環境分野の科学者を目指す)

4. 実際に行動してみましょう!

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トンプソン教授、ギャロウェイ教授、リンデキュー教授

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