ラマナサンさんは会議で、データや理論に基づき、地球温暖化は主に上位10億人の富裕層に責任があること、最貧困層の30億人が気候に与える影響は5%以下であることを示し、地球温暖化の主な原因は富裕層による過剰消費であると説きました。そして「人間は互いへの態度や自然への態度を根本的に変えなければならない」という結論に達して会議は幕を閉じました。
その際、法王から何か自分にできることはないかと問われたラマナサンさんは、「法王はカトリック教会の枠を超えて、世界の道徳的指導者ですので、スピーチをされる際に、地球の良き管理者となるように人々におっしゃってください」と答えました。
ラマナサンさんには、2023年に結婚50年を迎える奥さんがいます。二人ともチェンナイ出身で、お見合い結婚でした。奥さんによると、ラマナサンさんは目標に向かって突進していくタイプで、常に仕事を一番優先してきました。しかし、だからと言って家族をないがしろにしていたわけではありません。たとえ世界中を駆け巡り、実験で忙しくても、自分と奥さんの誕生日、そして記念日には必ず家に帰ってきました。
また、今自分がどんな研究をしているのか、何故出張に行かなければならないのか、夜にどうして仕事をしているのかを必ず奥さんに説明し、奥さんが不安と疑問を持たないよう二人で理解し合える関係を築いてきたそうです。