重大な発見
さて、ラマナサンさんのお話に戻りましょう。博士課程を修了した後、ラマナサンさんは宇宙の研究で有名なNASAで働くことになりました。NASAで成層圏オゾンの破壊が地球の気候に与える影響について研究していた頃、彼はクロロフルオロカーボン類(CFCs)がオゾン層を破壊しているという論文を読みCFC類に興味を持ち、すぐに独自に調べ始めました。冷蔵機器製造会社で働いていた頃に機器からの漏れに悩まされ続けていた、あの冷媒として使われるCFC類の研究をすることになったのです。
昼間にNASAの仕事をしながら、夜は自宅でリサーチと計算を重ねること約1か月、CFC類には別の非常に大きな問題があることに気づきます。そしてラマナサンさんはその仮説を3か月間何度も繰り返し検証し、1975年、遂にCFC類は二酸化炭素よりも1万倍も温暖化への影響が大きいことを発見したのです。