学習の手引き

ヴィーラバドラン・ラマナサン教授のものがたりはいかがでしたか?
ここは、みなさんがものがたりについて復習したり、理解を深めたりするためのページです。ここだけに書いてあることもありますよ!

<対象:10歳以上>


まずはクイズです!

問1:地球の温室効果ガスの量について正しいのは次のうちどれでしょう。

1. 多ければ多いほど良い

2. 多すぎても、まったくなくても良くない

3. 温室効果ガスはないほうが良い


問2:ラマナサンさんは、世界の大気汚染は主にどの地域からのせん物質のはいしゅつが原因だと考えているでしょう。

1. アジア

2. 北米

3. どの地域とは決められない


こたえ

問1:温室効果ガスの量について正しいのは次のうちどれでしょう。

こたえ:2. 多すぎても、まったくなくても良くない

地球にとって、温室効果ガスは私達がねむるときの毛布のようなものです。毛布をたくさんかければ暑くなりすぎるし、毛布がなければ寒くなってしまいます。私たち人間や、自然にとって快適な温度を保つには、大気中に適量の温室効果ガスがあることが大切です。

問2:ラマナサンさんは、世界の大気汚染は主にどの地域からの汚染物質の排出が原因だと考えているでしょう。

こたえ:3. どの地域とは決められない

これまでの調査によって、特定の地域で排出された汚染物質が別の地域にまで移動することが分かっています。大気は世界中をめぐっているため、どこの地域が汚染源だとは決められない、互いに責任をなすりつけ合うことでは問題は解決しないと、ラマナサンさんは言っています。


ここはおさえておこう

大気せん物質ははいしゅつされた地域から遠くはなれた地域にまで移動することがある。

寿じゅみょう気候汚染物質とは、排出されてからかく的短い時間大気中に留まり、大気汚染と地球温暖化に悪えいきょうをもたらす物質のことである。


もっとくわしく

ここでは、ラマナサンさんのものがたりで学んだ短寿じゅみょう気候せん物質について、なぜさくげんしなければいけないのかをよりくわしく見ていきましょう。

①地球温暖化を防ぐ

短寿命気候汚染物質は、同じ量で見ると二酸化炭素の25倍から2000倍も強力に気候を温暖化させる力がある物質です。今日の地球温暖化の原因の半分近くが短寿命気候汚染物質によるものだと言われています。
一方で、それらははいしゅつされてから大気中に留まる時間がかく的短いため(数日から10年ほど)、大幅に削減することができれば、すぐに大気中からいなくなります。つまり削減すればすぐに地球温暖化へのえいきょうがなくなるということです。

②人々の健康を守る

短寿命気候汚染物質は、地球温暖化を引き起こすだけでなく、人々の健康をおびやかす危険な大気汚染物質でもあります。毎年何百万もの人々が大気汚染によって早期に亡くなっています。特に女性、子ども、こうれい者、貧しい人たちへ の影響が大きいと言われています。

③食べ物の安全を守る

短寿命気候汚染物質の削減は、食べ物を安定的に確保すること(食料安全保障)にも関わっています。なぜなら、短寿命気候汚染物質がもたらす地球温暖化は、気象パターンを変化させたり、自然災害を増やしたりすることで作物のしゅうかく量を減らしてしまうからです。さらに短寿命気候汚染物質の一つであるブラックカーボンは、日光をさえぎることで、米、トウモロコシ、小麦等の主要な作物の成長をさまたげます。

④経済的なメリット

短寿命気候汚染物質は、公衆衛生、生態系、農業生産性の悪化を通じて、経済に悪影響をおよぼしています。したがって短寿命気候汚染物質の排出量を削減すれば、ようの創出や世帯収入の増加といった直接的な経済効果だけでなく、公衆衛生の改善、貧困や不平等の解消、気候変動の影響の軽減といった間接的な経済効果をもたらします。

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ヴィーラバドラン・ラマナサン教授

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