バンガロールは英国統治の影響が残る街で、教育の全てが英語で行われていました。一方でラマナサンさんはタミル語しか知らなかったので、彼の成績は平均以下に落ちてしまいました。先生が何を話しているのかわからないことから、彼は全ての教科を自分で本を読み想像しながら勉強することにしました。例えば、重力を理解する時はその仕組みを頭で想像しながら勉強するという具合にです。言葉が自由に使えない中で答えを導き出すには、ただ覚えるだけではなく、仕組みそのものを理解することが必要だったのです。
物事の仕組みを自力で解明していくには必死に頑張る必要がありましたが、覚えることと理解することが別のことだと気づいた経験によって、人を頼らず自立して何でも自分でやってみるというラマナサンさんの物事に対して取り組む姿勢が出来上がりました。それは後に数々の科学的発見や功績を成し遂げたラマナサンさんにとってなくてはならない体験でした。