トップページ 歴代受賞者一覧 2017年の受賞者 ハンス・J・シェルンフーバー教授 ハンス・J・シェルンフーバー教授のものがたり ハンス・J・シェルンフーバー教授 ShareTweet 1950年6月7日生まれ ドイツ 気候科学者 ポツダム気候影えい響きょう研究所(PIK)設立者・所長 1 2 3 4 5 次へ 取返しのつかないことが起きる前に 地球温暖化のことはみなさんご存知ですね。気候変動という言葉もよく使われますが、環かん境きょう問題で気候変動といえば多くの場合は地球温暖化が原因でおこる気候の変動のことを指すので、地球温暖化とだいたい同じ問題のことだと考えていただいてよいでしょう。 今、地球の気温はかつてないペースで上がっていっています。そんな中、この地球温暖化に世界中が協力して立ち向かわなければという機運がどんどん高まってきました。 2015年にはついに世界の196カ国以上もの国が、地球温暖化対策のための「2℃目標」に合意しました。これは、産業革命以前(温暖化が始まる前)の世界の平均気温を基準として、これからの平均気温の上じょう昇しょうを2℃よりも十分に低く抑おさえるとともに、1.5℃までに抑えよう努力するというものです。フランスのパリで開かい催さいされた会議「第21回気候変動枠わく組ぐみ条約締てい約やく国会議(通つう称しょう:COP21)」で決まったことなので、これを「パリ協定」といいます。 1 2 3 4 5 前へ 次へ でも「なぜそこまでして地球温暖化を防ぐ必要があるんだろう?暖かくなるのはいけないことなの?」と思ったことはありませんか? その最大の理由のひとつは、温暖化がそのうち地球全体にとって取り返しのつかないことを引き起こすかもしれないからです。例えばグリーンランドや南極にある氷ひょう床しょうが融とけ、海面が上がり、海の近くにある陸地が沈しずんでしまうといったことです。すでにそれは始まっているのです。 このようなことを明らかにしてきたのが、ドイツの気候科学者、シェルンフーバー教授です。 1 2 3 4 5 前へ 次へ 元々物理学の専門家だった教授は、地球のしくみを詳くわしく解かい析せきし、このまま気温が上がり続けることで起こりえる数々の取返しのつかない脅きょう威いについて予測しました。そしてそれを防ぐためには気温上じょう昇しょうを2℃までに抑おさえなければならないと、国際社会に向けて訴うったえ続けてきました。 これがパリ協定の「2℃目標」につながったのです。 1 2 3 4 5 前へ 次へ ハンス・J・シェルンフーバー教授のものがたり もくじ 1. 複雑で予測不可能な自然現象 2. なぜ地球温暖化を防ぎたいのか 3. 絶対に避さけなければならないこと 4. 世界中の約束 1 2 3 4 5 前へ 次へ