しかし、セレンゲティでの仕事が終わったわけではありません。今、ボルナー教授の一番の関心ごとは、未来のセレンゲティを担うタンザニアの若者たちを育てることです。これからもセレンゲティにはたくさんの問題が起こるのでしょうが、そのときにセレンゲティを守れるのは、自分たちの誇る国立公園のために熱意をもって国際的に立ち上がれる、タンザニアの若者たちだからです。
ボルナー教授が考えるこれからの大きな問題は、人口増加と気候変動です。まず、人口が増えれば増えるほど人間には土地が必要になるので、保護されている地区が脅かされることになります。また、気候変動によって、雨のルートが代わり、乾季に水場が見つけられなくなったら、動物達は死んでしまいます。これらは、セレンゲティの問題であるとともに、地球全体の問題でもあります。