3. 化石燃料は持っていると損する!?

カーボン・トラッカー・イニシアティブ(CTI)

2010年、レゲット博士は「カーボン・トラッカー・イニシアティブ(CTI)」という非営利のシンクタンク(研究機関)の設立に関わりました。レゲット博士は以前から、「石油や石炭などの化石燃料を使い続け、大量の二酸化炭素を大気中に出し続ければ、地球の気候は取り返しのつかないことになる」とうったえてきました。その考えに共感したのが、若かった投資家のマーク・カンパナーレさんでした。かれのアイデアをもとに、二人はCTIを立ち上げます。カンパナーレさんが初代CEO(最高経営責任者)となり、レゲット博士は初代会長になりました。

かんきょう問題への関心がそれほど高くなくても、経済的な不利益をこうむるかもしれないと考えれば耳をかたむける人もいます。CTIは気候変動が経済にもたらすえいきょうについて研究し、きんゆう関係者からも高く評価される非常に影響力のある報告書を発表し続けてきました。その中で、特に化石燃料の価値についての世界の認識を大きく変えたがいねんが「カーボンバブル」です。

カーボンバブルとは

カーボンバブルとは、石油や石炭、ガスなどの化石燃料の価値が、実際よりも高く見積もられている状態を指します。

気候変動対策は、今や世界が必ず対応すべき課題です。そのため将来、化石燃料の使用は大きく制限されることがまれます。そうなると、今、化石燃料に関わるぎょうが資産として保有している油田や炭鉱の多くは使えないまま残ってしまう可能性があります。このように、将来価値を失ってしまう資産は「しょう資産」と呼ばれます。そして、ある時点で、あわ(バブル)がはじけるように、資産の価値がほとんどなくなってしまうおそれがあるのです。

それにも関わらず、今も多くの銀行や投資家は、化石燃料に関わる会社にお金を出し続けています。企業も、石油やガスの開発をやめずに進めています。もし、こんな状況のままとつぜん、化石燃料が使えなくなったらどうでしょうか。世界経済は大混乱し、深刻な経済危機が起こるかもしれません。つまり世界は、気候変動対策のためにも、経済危機をけるためにも、化石燃料から少しずつ段階的にはなれていく必要があるのです。

そのためCTIや多くの専門家は、カーボンバブルがはじける前に行動を起こす必要があると強く警告しています。CTIの警告はきんゆう界に大きなえいきょうを与え、化石燃料からのダイベストメント(投資てっ退たい)が急速に進む一助となりました。

4. 新たな活動

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ジェレミー・レゲット博士

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