この時期に、優秀なリーダーやマネージャーたちと一緒に仕事をしたことで、レゲット博士は後に起業家になるために必要な能力を身につけることができました。この経験をレゲット博士自身もとても幸運だったと振り返っているそうです。レゲット博士は多くのビジネス関係者から「気候変動対策を進めるなら理念を掲げるだけでなく、会社を作ってビジネスの世界で行動してはどうか。」と勧められました。
そこで、まずレゲット博士はグリーンピースの仕事を1年間休み、オックスフォード大学に戻って気候変動と保険業界の関係を研究し、本を書きました。たとえば気候変動によって自然災害が増えれば、保険会社が支払う保険金も増え、経営への負担が大きくなります。レゲット博士の目的は、保険業界に気候変動のリスクを真剣に考えてもらい、気候変動を止めるための行動につなげてもらうことでした。また当時、石油やガスの業界は自分たちの既得権益に固執して気候変動対策に消極的でした。だからこそ博士は、保険業界が声を上げることで、石油やガスの業界に変化を促してほしいと考えたのです。