予測する学問
新しいことをしたり、新しい何かを発見したりするためには、「予測」ということが必要です。ティルマンさんは、環境問題を解決するためには、湖の汚染が湖の将来にどのような影響を及ぼすのかなど、今の環境問題が将来どうなるかを生態学によって予測することが大切だと思いました。
ティルマンさんは博士課程で、ミシガン湖の栄養素汚染に関係する、2種類の藻類の研究をすることにしました。それは、2種類の藻類が生存と繁殖のためにいかに競い合うかについて予測し、予測が正しいかどうかを実験で確かめる、というものでした。それまで生態学者が行っていたのは、すでに観察された競争の結果を述べていただけで、どの種が勝ち残るのか、負けるのか、それとも共存するのかを予測する方法を提案した生態学者はいませんでした。ティルマンさんは、その予測をやってみようと思ったのです。