学習の手引き

デイビッド・ティルマン教授のものがたりはいかがでしたか?
ここは、みなさんがものがたりについて復習したり、理解を深めたりするためのページです。
ここだけに書いてあることもありますよ!

<対象:小学校高学年以上>


まずはクイズです!

問1:生物多様性と土地の生産性の関係について、ティルマンさんの実験ではどのようなことがわかったでしょうか。

1. 生物多様性は、土地に生産性をもたらすために重要な役割を果たしている。

2. 生物多様性は、土地の生産性を損なわせる。

3. 生物多様性と土地の生産性はまったく関係ない。


問2:ティルマンさんおすすめの、健康にもかんきょうにもよい食習慣にあてはまるのは、以下のどれでしょうか。

1. 野菜はあまり食べず、肉をたくさん食べる。

2. 野菜をたくさん食べ、肉はあまり食べない。

3. 野菜と肉を同じくらい食べる。


こたえ

問1:生物多様性と土地の生産性の関係について、ティルマンさんの実験ではどのようなことがわかったでしょうか。

こたえ:1. 生物多様性は、土地に生産性をもたらすために重要な役割を果たしている。

ティルマンさんは農場をたくさんの区画に区切り、区画によって植える植物の種の数を変えて観察する実験を行いました。この実験によって、生物多様性は土地に生産性や安定性をもたらし、じょうよくにすることに対し、極めて重要な役割を果たしていることがわかったのです。

問2:ティルマンさんおすすめの、健康にも環境にもよい食習慣にあてはまるのは、以下のどれでしょうか。

こたえ:2. 野菜をたくさん食べ、肉はあまり食べない。

ティルマンさんたちはさまざまな食べ物について調べ、赤肉(牛、ぶた、羊、馬、ヤギなどのにゅう動物の肉)や加工された赤肉(ベーコン、ハムなど)は環境にも健康にも悪く、穀物やナッツや果物、野菜などは健康にも環境にもよいことをつきとめました。果物や野菜や魚を多くとり、赤肉をあまり食べない、しかも多くの人に好まれる食習慣として、地中海式食事法、和食、インドの伝統的なベジタリアン食などがあります。


ここはおさえておこう

生物は種ごとにちがう特性を持っており、それぞれの種が優れている部分を進化させ、それぞれの働きをすることで種は共存し、豊かな生態系が成り立っている。

食習慣は農業を通してかんきょうえいきょうあたえ、同時に健康にも影響を与える。よって、食習慣を変えることができれば、食習慣・健康・環境の3つの問題の解決につながる。
※農業の他、林業や水産業にも関わる場合もあります。


もっとくわしく

健康にもかんきょうにもよい世界の食習慣のしょうかい

ティルマンさんおすすめの、健康にも環境にもよい世界の食習慣。ここでは地中海式食事法、和食、インドの伝統的なベジタリアン食について、どのような食事なのかをもっとくわしくご紹介しましょう。

これらの食事は、健康にも環境にもよい上においしいので、多くの人に好まれています。みなさんも、実際にこうした食事を作ってみて日々のしょくたくに取り入れたり、野菜を多くとること、肉を食べ過ぎないことなどを心がけたりしてみてはいかがでしょうか。

地中海式食事法

地中海式食事法は、ギリシャやイタリアなど、地中海沿岸の豊富な食材をもとにつちかわれた伝統的な食習慣をベースとしています。
精白していないぜんりゅう穀物を使ったパンやイモ類、フルーツ、豆やナッツ類、季節の野菜や果物を毎日食べます。塩やハーブ、スパイスで味付けし、健康的な油であるオリーブオイルをふんだんに使い、食事の時に適度にワインをとるのもとくちょうです。魚、チーズやヨーグルトなどの乳製品もよく食べ、次いでとりにくや卵も食べますが、牛肉やぶた肉などの赤肉や、おなどのあまいものはあまり食べません。
地中海式食事法が注目されるようになったのは、地中海沿岸の国々においてヨーロッパのその他地域やアメリカより心臓しっかんが少ないという調査結果がきっかけでした。健康食、ダイエット食としてよく知られている食習慣です。

和食

日本の伝統的な食習慣です。海に囲まれ、四季のはっきりした風土であることから、米を中心に季節の野菜やぎょかい類などの食材が豊富に用いられてきました。
日本では、歴史的に肉食は発達せず、乳製品もきゅうせず、油もあまり使われませんでした。素材の味を生かしつつ、だしや、大豆をはっこうさせて作るしょうによってうまみを足す味付けが特徴です。
日本は世界でもちょう寿じゅの国として知られ、和食も健康食として世界から注目されています。近代化以降は、和食にも肉食文化や世界各国の食材や調味料が取り入れられるようになりました。また、世界各国にも和食が輸出され独自の発展をしています。

インドの伝統的なベジタリアン食

インドは古来より、宗教的な理由からベジタリアンがとても多い国です。そのため、肉を食べなくても必要な栄養が取れるような食習慣が発達しました。
穀物や野菜のほか、タンパク質を補うために豆をたくさん食べます。また、乳製品は食べるという人も多く、よく使用されます。スパイスやハーブが非常に豊富で、バリエーション豊かな味付けがなされているのも特徴です。

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デイビッド・ティルマン教授

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