中学生のときに、野生生物に詳しい生物学の教師、ティム・フッカー先生と出会いました。先生は、授業の時間以外にも、自然史や野生生物についてたくさんのことを教えてくれました。鳥の数え方、鳥の鳴き声で種類を判別する方法、毒ヘビなどの爬虫類や両生類の捕まえ方、魚の捕まえ方と見分け方、キノコの種類と食べられるかどうかの見分け方、調理の仕方……こうしてスチュワートさんはますます野生生物に惹かれるようになりました。
さらに、フッカー先生は、自分の友人である著名なチンパンジー研究者のジェーン・グドール博士を紹介してくれました。スチュアートさんは大学に入る前の一年間、グドール博士の息子さんの家庭教師としてアフリカのタンザニアで暮らし、勉強を教える時間以外は鳥を観察したり、ヒヒやチンパンジーを探し回ったり、タンガニーカ湖で泳いだりして過ごしました。タンザニアの自然や野生生物、人々の伝統や文化などを自分の目で実際に見たことは、18歳のスチュアートさんにとっては大変、新鮮な体験でした。そのころには、将来は野生生物の研究をしたいと思うようになっていました。