教授は、アフリカなどの乾燥地域における食料生産においては、水をブルーウォーターとグリーンウォーターに分けて考え、グリーンウォーターに目を向けることこそが重要だと考えました。アフリカでは、人間に必要な水のうち、生活用水や工業用水はブルーウォーターでまかない、農業用水、つまり食料生産に使う水はグリーンウォーターでまかなうという、今までとは別の考え方が必要になると考えているのです。
1993年、ファルケンマーク教授は国連食糧農業機関(FAO)の会議でグリーンウォーターについて提唱し、高く評価されました。
教授は、グリーンウォーターはもっと重視されるべきだと思っています。植物の生産に豊かな土が大切なのは言うまでもありませんが、かつては土壌の肥沃性について語られるときは土の中の栄養分についてしか触れられず、その栄養分を根から取り入れるために必要な水について触れられることはありませんでした。今でもこの状況はあまり変わっていません。