トップページ 歴代受賞者一覧 ジャンゼン教授・INBio:4. コスタリカ生物多様性研究所の仕事 4. コスタリカ生物多様性研究所の仕事 コスタリカ生物多様性研究所の主な活動は、国内における生物種の目録の作成、生物資源を持続的に利用するための研究、そして、生物多様性に関する情報発信の三つに分けられます。 1 2 3 4 5 6 7 次へ 生物種の目録作成 ガメスさんたちがまず取り組んだのは代表的な生物種の目録の作成です。現在、ホールワックスさんが開発した手法に基づいて収集された標本は300万を超こえ、さらにこれらの標本はジャンゼンさん夫妻の努力で、どんな見た目をしているかだけでなく遺伝子的特とく徴ちょうまで明らかにされています。また、情報はインターネット上に無料で公開され、毎日2万4千回もアクセスされています。 1 2 3 4 5 6 7 前へ 次へ このような膨ぼう大だいな作業の裏側には、世界中の約450人もの科学者たちが無む償しょうで分類に協力してくれたり、地元住民が分類補助員として働いてくれたりといった様々な立場の人たちの協力がありました。 虫の標本 1 2 3 4 5 6 7 前へ 次へ 生物資源の持続的な利用のための研究 また、生物資源の持続的な利用については、バイオプロスペクティングという画期的な取り組みを行いました。これはジャンゼンさんの仲立ちの下で実現したもので、世界最大の製薬会社であるメルク社と生物資源についての共同研究を行うというものです。内容はコスタリカ生物多様性研究所が、同社の希望する植物、昆虫、土壌について標本収集と分ぶん析せきを行う対価として、メルク社は100万ドルの報ほう酬しゅうと分析に必要な機器、さらに標本が新薬の開発につながった場合の使用料を提供するというものでした。 1 2 3 4 5 6 7 前へ 次へ この生物資源から利益を生み出す仕組みは世界から評価され、生物多様性条約の事務局長から生物の有効活用の最もよい手本だと称しょう賛さんされました。コスタリカ生物多様性研究所は、このような科学調査プロジェクトを含ふくめ既すでに47社以上と生物資源を活用する契けい約やくを結んでいます。 INBioの研究所 1 2 3 4 5 6 7 前へ 次へ 生物多様性に関する情報発信 コスタリカ生物多様性研究所は、生物多様性に関する情報発信にも取り組んでいます。例えば、自然との直接的な触ふれ合いを通した生きた体験を提供するために作った「INBioパーク」には、これまでにコスタリカ国民の4分の1以上が来園しました。また、エコツーリズム産業への情報提供にも力を入れており、コスタリカは人口わずか500 万人の国に、毎年200 万人が訪れる自然観光大国となっています。 1 2 3 4 5 6 7 前へ 次へ 現在コスタリカでは、観光業が技術産業に次ぐ2番目に大きな外貨獲得源になっています。これらの自然を観賞するツアーは地域社会に直接的に収益をもたらすので、地域社会の自然保全への協力も得られるのです。 INBioパーク 5. 最後に 1 2 3 4 5 6 7 前へ 次へ