ガメスさんは、コスタリカで熱帯林の研究をしていたジャンゼンさんを含む科学者グループと「国立生物多様性研究所設立計画委員会」を設立し、生態系をどのように守っていくかを協議しました。さらにマッカーサー財団から助成を受けて「コスタリカ保全新戦略プログラム(A New Strategy and Conservation Program for Costa Rica)」を立ち上げ、保護区システムの強化に取り組みました。ジャンゼンさんに関して紹介した、グアナカステ保全地域は、このプロジェクトのパイロットプランから誕生したものです。
委員会は協議の末、コスタリカには生物多様性に関する研究所が不可欠という結論に達し、大統領と環境大臣に設立を提案したのですが、最初は非現実的という理由で却下されてしまいました。当時、コスタリカでは保護区の設置自体は進んでいましたが、自然から価値を引き出すという考えには至っておらず、提案はアイデアとしては優れていたものの時期尚早だったわけです。