生物多様性保全への情熱
皆さんは、コスタリカという国を知っていますか。太平洋とカリブ海に挟まれたこの国は大変豊かな自然環境に恵まれており、世界のわずか0.03%の面積しかない国土の中に、なんと全世界の動植物種の約5%が生息していると言われています。しかし、自然豊かなこの国でも、放牧地やコーヒー農園などの造成によって熱帯林の減少が進んでいました。
このような状況の中で、自然環境を保全するための画期的な活動を行ったのが、ダニエル・H・ジャンゼンさんと、ジャンゼンさんが設立に関わったコスタリカ生物多様性研究所です。
ジャンゼンさんは、コスタリカの中にグアナカステ保全地域という生物多様性保全地域を設置し、失われた森林の再生に取り組んできました。また、コスタリカ生物多様性研究所は、学者だけでなく地域の住民とも協力しながら大量の生物標本を収集したり、生態系がもたらす利便性を企業に提供することで環境保全のための資金を獲得するという手法を実践したりしました。そしてこれらの取り組みは、世界の他の地域の参考になるものとして、高い評価を受けるものでした。