このレジリエンス・アライアンスの目標はもちろんレジリエンスの理解です。それも、生態系のレジリエンスだけではありません。ウォーカー教授の興味は、いつしか生態学の枠を超え、私たち人間の社会にも向けられるようになっていました。変化に対応できる能力、レジリエンスは、人間社会が持続していくためにも不可欠なものだと思ったのです。
レジリエンス・アライアンスには社会学者もたくさん参加していたので、教授は彼らと一緒に、社会の複雑さや社会の機能を理解しようとし、人間社会がレジリエンスを高めるためにはどうしたらよいのか考えました。
そのうち教授は、生態系と人間社会を別々に考えるのではなく、一緒に考えるべきなのではないかと思うようになりました。