カナダに渡り、サスカチュワン大学で生態学を4年間学んで博士号を取得した教授は、1969年に再びローデシアに戻り、ローデシア大学の生態学部で講師として働きはじめました。
ここで教授は、サバンナや野生動物の生態に関する研究プロジェクトを監督していました。学生たちを国内各地の国立公園や野生動物保護区、渓谷や山々などに派遣し、教授はときどき彼らを訪問するのです。当時は道路が整備されていなかったので、教授は自家用飛行機の免許を取り、自分で操縦して学生たちを訪ねることにしたのですが、これが思わぬ功を奏しました。
飛行機に乗り、上空1000フィート(約305メートル)の高さから見る自然は、地上から見るのとは全く違っていました。あのあたりにあったものがこのあたりからは急になくなっている、形が変わっている……というように、生態系の様子を大きなスケールで見ることができたのです。この貴重な体験は、教授の視野を大いに広げてくれました。