このような地球規模の問題を解決するには、人間が今までしてきたやりかたを真剣に見直さなければならず、また世界中の国々が協力しなくては実現しません。サックス教授はそれを強くうったえ、MDGsの達成をめざして世界をリードしてきました。
また、長いこと「極度の貧困」をなくすために力をつくしてきたサックス教授ですが、最近は豊かな国とよばれてきた先進国の中にも貧富の格差、環境悪化、教育の劣化といった、深刻な問題が広がっていることを心配するようになりました。ついに、サックス教授の母国・アメリカも診断の対象になったのです。
そして、ひたすら物を欲しがって、手に入れるだけでは人間は幸せになれないと警告し、自分のことばかり考えず、おたがいへの思いやりを持って行動する「共感に満ちた社会」をめざすことが、よりよい未来につながると説いています。