現地の経済状況は大変、混乱していましたが、状況をみていると解決策がみえてきました。サックス教授はまずハイパーインフレーションを終わらせるための対策をたて、成功しました。
しかし、ボリビアの予算は深刻な赤字のままでした。そんなとき、ボリビアはハイパーインフレーションが終わったのなら債務を支払うようにと国際通貨基金(IMF)に言われてしまったのです。サックス教授は、今そんなことをしたらこの国の経済状態はもとにもどってしまうと思いました。
「どんなに貧しくても債務は返さなければいけないというのは、まちがっている。それでこの国がだめになってしまったら、結局、国際社会のためにもならない。債務は帳消しにすべきだ。」とIMFに強く言い、最終的にそれは認められました。サックス教授には「豊かな国々はそうでない国を助ける義務がある」という信念があったのです。