物理学の考え方に慣れていたシュクデフさんにとって、経済学の考え方は時として理解しがたいものでした。特に不思議だったのが、経済学は、その理論で重要な、人々が合理的であるという考え方のために、実際に起こっていることを無視する場合があるということです。物理学は、例えば実験を行って理論と一致しなければその理論を捨てますが、経済学では実験を捨ててしまうのです。
シュクデフさんは、このような経済学の考え方は現実にそぐわなくて変だと思ったのですが、いい仕事に就くための勉強が忙しく、その時はやがてそれを忘れてしまいました。