初めて天気に興味を持ったのもこのころです。飼っていたウサギのためにエサとなるクローバーやオオバコ、ナズナなどの草を刈りに行くのが日課だった松野さんは、ある時濡れた草はウサギによくないと聞き、それから天気の変化に注意するようになりました。
そして中学1年生の時、松野さんを気象学の世界に導いた決定的な出来事が起こります。理科の授業の一環で水戸の測候所(気象の観測を行うところ)を訪問したときのこと、見学を終えた帰り道、大事な万年筆をうっかり忘れてしまったことに気づいた松野さんはひとり測候所に引き返しました。測候所の方は快く迎え入れてくれ、それだけでなく松野さんにいろいろなことを教えてくれました。