1. 広い世界を見てみたい

森と乗馬と読書と音楽

ランバンさんは1962年、ベルギーの首都ブリュッセルで生まれました。お父さんは経済学を専門とする大学の先生で、お母さんは歴史家で教師です。豊かで知的な家庭で幸せな子ども時代を過ごしました。

子ども時代

10さいのころ家族で田舎に引っしました。家のすぐとなりに大きな森があって、家では馬を飼っていました。少年のランバンさんは多くの時間を屋外で過ごし、森をたんさくしたり乗馬をしたりして、自然に親しんで過ごしました。

子ども時代

家にいる時は読書と音楽に夢中でした。たくさんの本を読みましたが特に文学が好きで、海外の文学を通して心はいつも世界を旅していました。またクラリネットとサックスを習い、ジャズを演奏していました。ジャズの自由さがランバンさんの好みによく合っていたのです。
世界にあこがれ、自由を尊び、そして自然を愛する心は、その後のランバンさんの進路にも大きくえいきょうおよぼすことになります。

世界を旅する

高校時代のランバンさんはあまりよい生徒ではなかったそうです。「当時の私を知る人は私が将来研究者になるなんて予想もしなかったでしょう。」とランバンさんはいいます。上からこうしなさい、ああしなさいとし付けられるのがきらいだったのです。自分のやりたいことは自分で探して自分で決めたい青年でした。
学校よりも旅をして世界を見てみたかったランバンさんは、高校を終えるとまずヒッチハイクをしてアイルランドに行きました。そこからカナダ、ルーマニア、アフリカ、アジアと、何か月もバックパックひとつを背負ってひたすら旅をしました。

しかし、9月が近くなり、大学が始まることに気づいたランバンさんは、大学に進学することが今、自分のすべきことだと思いました。そこでベルギーに帰り、ルーヴァン・カトリック大学に入学しました。それからのランバンさんは、まじめに勉強する学生になりました。自分で決めたことだったからです。1981年のことでした。

学生時代

地理学とてつがく

ランバンさんは大学で地理学をせんこうしました。旅行に役立つと思ったからです。
そして、続いて進んだ大学院でも地理学を専攻しましたが、なんと同時に大学に入り直して哲学を専攻し、大学院生と大学生をいっしょにやることにしたのです。2つの専攻を同時に学ぶのはとても大変なことで、めったにやる人はいません。しかし、ランバンさんはどちらにも興味があったので、どちらも勉強してみることにしたのです。分野が異なる学問の両立という大変な試みをランバンさんは楽しんでやりとげました。

その後、ランバンさんは地理学者の道を選びましたが、研究対象に対して広い視点を持ち、社会に何が重要かを論理的に考えるうえで、哲学を学んだことは非常に役に立っているそうです。

地理学者の道

2. 宇宙からの目、地上からの目

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エリック・ランバン教授

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