ハンス・J・シェルンフーバー教授のものがたり

ハンス・J・シェルンフーバー教授

ハンス・J・シェルンフーバー教授

ドイツ

1950年6月7日生まれ
ドイツ 気候科学者

ポツダム気候えいきょう研究所(PIK)設立者・所長

取返しのつかないことが起きる前に

地球温暖化のことはみなさんご存知ですね。気候変動という言葉もよく使われますが、かんきょう問題で気候変動といえば多くの場合は地球温暖化が原因でおこる気候の変動のことを指すので、地球温暖化とだいたい同じ問題のことだと考えていただいてよいでしょう。
今、地球の気温はかつてないペースで上がっていっています。そんな中、この地球温暖化に世界中が協力して立ち向かわなければという機運がどんどん高まってきました。
2015年にはついに世界の196カ国以上もの国が、地球温暖化対策のための「2℃目標」に合意しました。これは、産業革命以前(温暖化が始まる前)の世界の平均気温を基準として、これからの平均気温のじょうしょうを2℃よりも十分に低くおさえるとともに、1.5℃までに抑えよう努力するというものです。フランスのパリでかいさいされた会議「第21回気候変動わくぐみ条約ていやく国会議つうしょう:COP21)」で決まったことなので、これを「パリ協定」といいます。

でも「なぜそこまでして地球温暖化を防ぐ必要があるんだろう?暖かくなるのはいけないことなの?」と思ったことはありませんか?
その最大の理由のひとつは、温暖化がそのうち地球全体にとって取り返しのつかないことを引き起こすかもしれないからです。例えばグリーンランドや南極にあるひょうしょうけ、海面が上がり、海の近くにある陸地がしずんでしまうといったことです。すでにそれは始まっているのです。

このようなことを明らかにしてきたのが、ドイツの気候科学者、シェルンフーバー教授です。

元々物理学の専門家だった教授は、地球のしくみをくわしくかいせきし、このまま気温が上がり続けることで起こりえる数々の取返しのつかないきょうについて予測しました。そしてそれを防ぐためには気温じょうしょうを2℃までにおさえなければならないと、国際社会に向けてうったえ続けてきました。
これがパリ協定の「2℃目標」につながったのです。